11月11日(水)、中等部3年生では、東京吉本所属のお笑いコンビ「アップダウン」のお二人をお招きし、講演会を行いました。
「道徳」の一貫で平和教育のカリキュラムとしての音楽劇「桜の下で君と」を2週間にわたり鑑賞しました。コロナ禍で記念館や博物館に出向く行事ができない中で、どのような教材を通して考えるきっかけを作ろうかと思考していた時に、YouTubeで配信されていたこの作品に出会いました。お笑いで、笑うところでは笑わせながら、実話をもとに音楽劇の形で特攻隊の青年と教官を描きます。戦争の映画を見るとそのあとしばらく言葉を発することがためらわれるようなずっしりと重たい感覚になりがちですが、この作品では、現代の子どもたちへの新しいとらえ方、さらに生きるということに対するメッセージが込められています。100分の鑑賞中、生徒たち、時には笑い、時には涙を流し、全員が集中して見入っていました。
そしてご縁ができ、今日、生徒たちには「サプライズ企画」として、アップダウンのお二人が学園にいらっしゃり、生の声で熱いメッセージを公演くださることとなりました。
授業が始まり、教員が前で「前回の……」と語っているところに、BGMが流れ、同時にアップダウンのお二人が登場、皆、驚きとともに大喜び。初めはその登場方法に不安を語っていらしたお二人ですが、マイクを握ればそこはさすがプロ。即座に展開する漫才に皆笑い、お二人の話にどんどん引き込まれていきます。
なぜコンビを組まれたのかとなれそめから、音楽劇を通じてみんなに伝えたかったこと、歴史を語っていくことの意義、そして、夢を持つこと、希望をもって生きることの幸せとその貴重さを掛け合いをしたり、時には生徒に発問したりとテンポよく進められます。
最後に音楽劇でも使われた阿部様の描かれた絵コンテを背景に竹森様が「桜の下で君と」を熱唱。皆感動しました。平和教育という重たいテーマの道徳授業でありながら、帰りがけに「先生、今までで一番楽しい授業だった」「お笑いってふざけてるんじゃない、真剣でかっこいいって思った」と語った子どもたちがいました。さらに、「特攻隊の人にもいろいろな価値観があったのにそれが表に出せなかった。いま、自分の思いを語れることが幸せなことだと知った。自分の生き方を真剣に考えていかなければいけないと思った」と感想を記している生徒もいました。既存の形ではない、新しい平和教育の方法を知り、生徒にも教職員にも有意義な講演会でした。