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最近の森村

2021.04.07 最近の森村

第109期中等部入学式

本日(4月7日)、中等部入学式が執り行われました。
感染対策のため、新入生はマスク着用の上ソーシャルディスタンスを保って体育館に入場しました。

式の中では一人ひとりの名前が呼ばれ、緊張しながらも元気よく返事をしました。

式終了後は、クラスで写真撮影をした後初めてのホームルームが行い、終了後、100年広場で新入生と保護者が合流し解散となりました。
異例の状況が続きますが、元気な新入生の姿があることの幸せを改めて感じる一日となりました。感染拡大を防ぐため、できる限りの対策を取りながら、新たな日々を迎えます。

以下は、校長による式辞です。

今日の良き日に、保護者の皆様ご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。ただ今ご紹介いただきました、校長の江川昭夫と申します。

中等部198名の新入生のみなさん、ご入学、誠におめでとうございます。

森村学園は、今から111年前の明治43年、西暦1910年に創立されました。
明治時代といえば、ものすごいスピードで日本の近代化が進んだ時代です。大日本帝国憲法が制定され、藩から県になり、鉄道もでき、教育制度も整備され、全国に小学校ができ、また大学も次々に創立されました。今の社会の基礎の多くは、この明治時代に築かれたものです。
学園の創立者である森村市左衛門先生は、この明治時代に民間で初めて海外貿易を行った実業家です。市左衛門先生が作った会社は、現在日本ガイシ、TOTO、ノリタケ、といった誰もが知る企業に発展しました。また、教育や文化の分野でも多大な貢献をし、NHKの大河ドラマ「青天を衝け(せいてんをつけ)」の渋沢栄一と共に、「明治大正期のメセナ(文化支援)の両雄」とも呼ばれました。
森村学園の建学の精神は「独立自営」です。「独立自営」とは、「どんな時代であっても自分自身の力で立てる人であれ」ということです。また、校訓「正直、親切、勤勉」は、みなさんの人格の土台となり、みなさんが幸せになるための合言葉です。

さて、今日はみなさんに、これから中等部・高等部の6年間でどんな人になって欲しいかについて、お話しします。

新型コロナウィルス感染拡大で行動が制限され、私たちは今、物理的には世界を自由に行き来できない状態です。しかし、情報はインターネットを通じて世界中に瞬時に流れ、私たちは自由に情報を受け取り、また発信することもできます。すでに私たちは「グローバル世界の住民」と言えます。
みなさんが社会に出る頃には、社会はさらにさらにグローバル化が進んでいることでしょう。その時、みなさんには、身に着けた素養をいかんなく発揮して、社会に貢献できる人になって欲しいのです。
そのためには、ひとつ、言葉を覚えてください。それは、“FRIENDSHIP”(フレンドシップ)です。
“FRIENDSHIP”とは、「友情」、すなわち、世界の人たちとつながることです。遠く離れたところで起こっている事柄も自分のこととして考えていくことです。
まず何よりも相手を受け入れることが大切です。自分の価値観とは違うからといって、相手の価値観を踏みにじるようなことがあってはなりません。この時に“FRIENDSHIP”が必要になります。
世界に目を向ければ、様々な文化や価値観があり、これを多様性といいます。みなさんには多様性を受容し、世界の人たちと共に何かを生み出していける能力を、この森村学園で育ててほしいのです。
みなさんは、もう「小さな大人」です。まずは、これから始まる学校生活で、自分と同級生たちが、育った環境も価値観も違う人だということを認めることから始めて下さい。それが、グローバル社会に生きていくみなさんの、「大人への第一歩」だからです。
みなさんは、音楽やゲームやマンガやアニメなど、色々な好きなことがあると思います。自分の興味を大事にして欲しいです。
ただし、興味がある、好きだからといってやりっぱなし、読みっぱなしでいいということではありません。興味を持ったら、同じ興味を持つ友達と話したり、それに関する雑誌や本を読んだり、自分でも考えて、いろんな発見をして下さい。そして、自分なりの考えや答えを見つけていって欲しいのです。
それが、「考える力」を育てるということです。また、様々な意見や解釈があることを知ることも、多様性に通じます。

新入生のみなさんに、2つお願いがあります。

  • 自分以外の他者を認めること、“FRIENDSHIP”があればできますね。
  • 自分の興味の種を育てること、です。

森村学園中等部・高等部には、みなさんがグローバル社会の一員となるための独自のプログラムがたくさんあります。どうかこれからの6年間、自分の成長を楽しんで、身も心も大きくなっていってもらいたいと願っています。
保護者の皆様、これからの世界で、すなわち、「正解のない、答えのない時代で生き抜く力」を身につけてもらうため、さまざまな取組みを実施してまいります。これらはご家庭のご理解とご協力なくしては成り立ちません。教職員一同、精一杯、お子様の指導にあたり、努力いたします。
何卒、ご理解・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。6年後、「森村学園中等部・高等部を選んでよかった」と言っていただける学園であるよう、誠心誠意、努めさせていただきます。

終わりに、新入生のみなさんの充実した学園生活を願って、式辞といたします。
新入生のみなさん、保護者の皆様、ご入学、誠におめでとうございます。
森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫