理科授業で行われていた実験について紹介します。
紹介するのは中等部2年生の「オームの法則」を題材にした、実験実習とまとめ指導の2時間構成の授業です。
【実験実習】
実験実習の授業より前に、動画の配信があります。そこでは実験の目的と予備実験の様子が伝えられ、予習することができます。
実験実習では、実験動画を見ながら進めることができ、生徒たちは適宜倍速・一時停止をすることで手順を確認しながら実験を進めます。
実験終了後、手書きのグラフで結果をまとめ、PCからMicrosoft Teamsにて画像で提出します。
これで実験実習は終了です。
【まとめ指導】
前回の授業で出た結果のグラフを今度は手書きではなく、Excelで作成してみます。教員が作成したフォーマットに数値を入れていきます。
出来上がったグラフはTeamsで提出します。
最後は、Microsoft Formsで振り返りのアンケートを行い、終了です。
アンケート結果は以下の通りでした。
以下、Formsアンケートにおいて、生徒から回答されたコメントの抜粋です。
- 手書きだと間違えている可能性がある。
- Excelのグラフだと手書きに比べて簡単に正確なグラフが描ける。
☛ 縦軸横軸の微調整がしやすい。
☛ 見た目もキレイでわかりやすく、相手に伝わりやすい。
- プレゼンテーションする場合はExcelのほうがやりやすいと思う。
☛ 手書きのグラフでは、写真を撮ってPCに保存する必要があるから面倒。
- 手書きのグラフは、自分の思考力が鍛えられる。
☛ 表から読み取ってグラフにする力がつく。
☛ 自分の手で書いた分、実験に対する理解が深まる。
- Excelでは、入力をすればいいため、描きかたの手順がつかみづらい。
☛ 手書きよりも実験結果の内容が理解しにくくなると思う。
☛ すぐにかけてしまうので記憶に残らない
【担当者より】
「せっかく生徒全員が2in1PCを持っているのだから、これをうまく実験実習に使えないだろうか?また、データ処理をすることに臆することなくチャレンジしてほしい。その壁を高く感じないでほしい。」という思いで、2in1PCを用いた理科実験の指導を行うようになりました。生徒が動画を見ながら実験することで、手順の間違いは減り、実験器具の故障も減ったと思います。Excelでのデータ処理も、難しいとは感じるものの、積極的な様子を見せ、チャレンジしようとする姿勢を感じる生徒が多いです。本来の理科授業の内容や生徒の発達段階に応じて改善点はまだまだ多いと感じますが、「小さな科学者」を育て、積極的に課題を解決し、研究・発表できるように指導するためには、この取り組みは必要だと感じています。