こんにちは。国際交流・多言語教育センターです!
国際交流・多言語教育センターは、ご近所の専修大学国際コミュニケーション学部日本語学科との間に国際教育連携協定を結んでいますが、その中身は大きく二つあります。
ひとつは、本校で学ぶ留学生に対し、専修大学から日本語教育のプロの方を派遣していただき、日本語の勉強をしてもらうこと。もう一つは、専修大学で勉強している海外からの留学生に、日本の学校教育や言語教育の現場を見学してもらうこと。この二つを互恵関係として相互に提供し合います。
そんな協定に基づき、今回は専修大学で勉強するタイの大学生、アルンラッタナーコーン・メイサーさんが、2日間森村学園でフィールドワークを実施しました。
メイサーさんの活動に関する専修大学のサイトはこちら!
メイサーさんも載っている「専修大学 海外留学・国際交流ガイド2023」はこちら!
専修大学ウェブサイトはこちら!
タイ商工会議所大学ウェブサイトはこちら!
とは言え、見学だけでは面白くありませんから、せっかくなので本校の制服に着替えていただき、2日間は完全に「高校生」として登校し、森村生と机を並べて勉強して、日本文化を肌で感じてもらうことにしました!
メイサーさんはアニメや漫画などを通して日本に強い興味を持ち、留学を決意したとのこと。日本の学校の風景や、私たちが当たり前と思って過ごしている毎日のあれやこれやが、実はメイサーさんにとっては、アニメの世界に飛び込んだような感覚なのかもしれません。
お迎えする当日には、海外からのお客様をお迎えする時は本校がいつもそうしているように、玄関には日の丸と並んでタイの国旗が美しくはためきました。
…あれ? どこかで見たデザイン…。
そうなんです。現在本校で勉強している留学生の母国コスタリカ共和国の国旗と、タイ王国の国旗は、デザインも色も全く一緒で、色の並びだけが違うんです。しかも本校で揚がっているコスタリカ国旗は紋章のないものですので、更にタイ国旗とよく似たデザインに! コスタリカの国旗は留学生の母国に敬意を表して、現在北階段に掲揚されていますが、偶然にもよく似た国旗が二つ、校内で揚がることになりました。
メイサーさんは、専修大学の齋藤教授(実は本校の卒業生!)に伴われて登校すると、早速制服に着替えてすっかり森村生に早変わり! ばっちり似合っています! 職員朝礼で紹介、ご挨拶の後、すぐに教室に向かいました。2日間を過ごす高1B組に居合わせた生徒たちは、最初こそちょっとどうしようかという感じで様子をうかがっていましたが、それもつかの間。「私も話したい!」と、女子を中心にアッという間に黒山の人だかりが! クラスを超えて、あちこちから生徒たちがかわるがわるメイサーさんと話しに来ていましたし、興味はあるけれどちょっと遠巻きに…という男子生徒たちも、ソワソワとチャンスをうかがっていました。
メイサーさんはその後の授業に1時間目から参加。2時間目の言語文化の授業では、先生が用意してくださった、ちょうど題材になっていた「虎の威を借る狐」のタイ語バージョンをタイ語で発表。多くの生徒にとっては初めて耳にするタイ語の響きで、よく知ったお話を聴きました。よく知ったお話だとなんだか理解できる気になってくるのは不思議ですね! 最初は心配そうに授業についていらした齋藤教授も、これなら安心と3時間目には職員室へ降りていらっしゃいました。
お昼には、持参したお弁当をもってカフェテリアへ。クラスメイト達と日本の学校を満喫しました。私たちにとっては当たり前の日常も、外からの目を通して見ると、ちょっと違う景色に見えてくるのは楽しいですね。
午後も授業に参加。6時間目は担任の先生の科目の授業だったため、せっかくだからと、少しお楽しみタイムもあったようで、メイサーさんを良く知り、日本の学校をさらに楽しんでもらう仕掛けもばっちりだったようです。
帰りのHRが終わった後は、メイサーさんが志願して教室掃除に参加。日本の学校で当たり前に行われている教室掃除は、海外の学校ではほとんど見られません。「自分で使ったものは自分で片づける」という私たちの文化を、私たち自身がもう一度見直すきっかけになりますね。
「はい、メイサーさん、これ、箒。」とスマートに箒を手渡して一緒に掃除していた男子生徒。齋藤教授も一緒に数十年ぶりの森村学園での掃除。なんとも不思議な光景でしたが、国際理解って、実は思ったよりもずっと身近な、自分の足元にあるものなのかもしれませんね。
帰り際にも、玄関先にはためくタイと日本の国旗をバックに、制服姿で記念撮影をしていたメイサーさん。森村学園での一日が、メイサーさんの今後の学びにとって意味のあるものでありますように。