この夏、シンガポールに教育視察へ赴いた国際交流・多言語教育センターの教員が、本校の生徒向けにシンガポール文化事情とシンガポールの大学紹介を行いました。その一部をこちらでも紹介します。
シンガポールは世界でも注目を浴びるほど急成長を遂げている国です。Smart Nationを掲げるシンガポールは、税関を含めた様々な社会インフラがデジタル化されており、日本よりも圧倒的に便利でスピーディでした。車を購入する権利が1000万円以上もするシンガポールは、街中を走る車が少なく、渋滞知らずでした。その分、電車と2階建てバスが整備されており、交通機関は混乱がなく、スムーズでした。ただし、一般人がドライブする権利は簡単に奪われてしまっています。この現象に代表されるように、非常に合理的かつ迅速で、ある種無慈悲な決定をするのがシンガポール政府の特徴ともいえます。「ないものだらけ」から出発した国が生き残るには、カリスマである初代首相Lee Kuan Yewによる徹底的な合理化、そして選択と集中が必要だったようです。そして、現在の首相にもその傾向は受け継がれているようです。
そんな合理的な国シンガポールですが、教育視察で訪問した大学はいずれも最先端の設備を備えるスタイリッシュな建物が印象的でした。人文学・芸術学などの教養学はあまり人気がなく、エンジニアリング、コンピューティング、ビジネス、テクノロジー関係の現代的かつ実用的な学部が中心に据えられているのがシンガポールの国の特徴をよく表していました。その分、最先端の技術や知識を学ぶ環境は非常に整っており、また各分野を横断して学べる環境も提供されていました。若い国ですが、日本と同様に少子高齢化が進んでおり、大学側も多くの外国人留学生を受け入れる方針を取っていました。そのため、日本人に対する門戸も開かれており、シンガポール企業で3年働くことを条件に奨学金制度が充実していたのも印象的でした。
これから本校の生徒がシンガポールの大学も視野にいれながら、進学選択をできるような企画を展開していきたいと思います。