先日、みなとみらいホールにて3年ぶりに中等部生の合唱コンクールを実施しました。様々な制約の中で指導に当たった音楽科の教員より、その様子を紹介します。
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去る1月30日(月)に3年ぶりとなる合唱コンクールを開催することができました。コロナ禍が始まって以来、普段の学校生活ではできるだけ会話を控えるように過ごしていた中、もちろん音楽の授業では歌唱などできるわけもなくひたすら鑑賞、実技といえばボディーパーカッションを行う程度と、普段の授業とは違った形で実施する日々が続きました。この間、声を出して歌う、というごく当たり前のことができずに月日が流れてしまったことは、音楽を教える立場としても非常につらく厳しいものでしたが、生徒たちにとって貴重な体験、時間を損失してしまったことは本当に残念でなりません。そのような中、何とか今年度は合唱コンクールを開催してあげたい、ということで、放課後のクラス練習などはせず、音楽の授業だけで取り組んでいくことを条件に開催を決定いたしました。しかし練習開始早々第7波が大きく影響し、パートごとの音取りはできても全員で合唱することはできないまま、二学期を終えることに。そして合唱コンクールまでにあった三学期の授業はどのクラスもわずか3回、この中で伴奏・指揮と合わせて合唱を仕上げていくという困難な状況でしたが(3年生のあるクラスは通し合わせが2回しかできませんでした)、生徒たちは授業で本当によく集中し、頑張ってくれました。さらに本番において、それぞれのクラスがベストとはいかずともよりよい混声3部合唱を披露しようとしてくれたことは、本当に感無量です。翌日の生徒たちからは明るく快活な雰囲気を感じることができ、いろいろな意味で、本当に開催出来てよかったと思います。今回の合唱コンクールを終え、“ただ声を出すだけではなく、より音楽的な合唱をめざす”ということを目標に伝統を守ってきた本校合唱コンクールの灯が、この3年間も消えることなく継がれていた、と私自身強く感じている次第です。今後もこの素晴らしい伝統行事を守り、発展できるよう、生徒ともに精進していきたいと思います。
閉会式では、校長から生徒たちに以下のような言葉が送られました。
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感染防止のための制約や工夫が求められましたが、3年ぶりの合唱コンクールを、コロナ前と同様に、「みなとみらいホール」で開催できたことを大変嬉しく思います。各クラスの感動的な合唱を聴かせてもらいました。
中1の皆さんの明るく元気な歌声と一生懸命に表現しようとする姿は、会場いっぱいに安心と笑顔を届けてくれました。中2の皆さんは曲想を巧みに捉え、歌詞の中に表現された世界を上手に歌い上げていたと思います。中3の皆さんには確かな音程と重厚感のある美しいハーモニーの裏にある、これまでの努力と熱量の大きさを感じました。さすが、中3生でした。皆さんは、合唱コンクールという目標に向け、練習を重ねる中で様々なドラマを経験したのではないでしょうか。同じ目標に向かう中で、仲間を尊重し励まし合う雰囲気が生まれ、その結果、徐々にクラスが団結し、本日の合唱が作られたことだと思います。そのような経験から、信頼できる仲間の中に自分がいることを喜び、同時に自己の成長も感じることができたのではないでしょうか。合唱コンクールのような学校行事は、結果よりもむしろ、そのような経験が後々の大切な思い出となり、宝物となることでしょう。