3月31日、京都の龍谷大学にて開催された「高校生文学模擬裁判交流戦 in Kyoto」に高等部生3名が参加し、創志学園(岡山県)の皆さんと交流戦を行いました。この交流戦に先立ち、2月2日にオンラインで実施された大会のときの様子は下記の記事にも紹介されています。
第5回オンライン高校生文学模擬裁判選手権/優勝は中大杉並、注目を集めた森村学園と旭川東の立証活動 – 刑事弁護オアシス)
今回の交流戦での題材はオンライン大会と同様に、芥川龍之介の「羅生門」でした。老婆の着物を奪って逃げた青年に「緊急避難」は適用し得るのか、という視点から、検察と弁護に分かれて裁判活動を展開します。今回の交流戦では、本校は検察側を担当しました。
交流戦の前日には、現在の「羅城門跡」を訪れたり、羅生門のイメージを膨らませるために南禅寺の三門に登ったり、平安神宮の應天門を見学したり、京都の地で現代の「実物」を確認したうえで、交流戦に臨みました。
対戦後には審査員の方々から「森村学園のみなさんはポテンシャルがとても高い」といった講評をいただき、また、創志学園の皆さんとお互いの取り組みについて情報交換をしながら交流を深めることもでき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。今回学んだことをいかして、今後の活動に繋げていきたいと思います。このような貴重な機会を設けてくださった龍谷大学の札埜先生をはじめ、関係者の皆様、京都開催にも関わらず応援に駆けつけて下さった卒業生の方々、そして創志学園の皆様に心より感謝申し上げます。
【生徒の感想より】
◆今回の文学模擬裁判は、異議出しができたり、証人と被告人の役を各校で担当したり、本当の裁判に近い形で新鮮でした。交流戦の相手校は服装や話し方から個々の役に入り込んでいて、緊張感が高まりました。さらに、同じチームのメンバーの臨機応変な対応力と演技力を誇りに思いました。良い経験が出来ました。
◆今回の試合はとても緊張する試合でした。オンラインで実施された大会と異なり実際の模擬法廷で行ったため、雰囲気からオンライン大会とはかなり違いました。また、他にはオンライン大会ではなかった裁判官からの補充質問もありました。私は証人役として今回の試合に参加したのでまさしくこの補充質問を受ける役だったのです。ある程度尋問の内容が予測できる学生の質問とは異なり実際に実務を行っている法曹界の方にされる質問はとても鋭く、それに食らいついていくのはとても大変でした。さらに今回の試合はその裁判官が目の前にいるので、怖さを感じるほど緊張しました。しかし、それも自分にとってのいい経験になったと思います。
3人という少人数でここまで来られてとても嬉しかったです。一緒に頑張ってくれた2人と私たちの考えが煮詰まったときにアドバイスをくれた先生、本当にありがとうございました!
◆不安と緊張、そしてそれ以上のワクワクで挑んだ冬のオンライン大会。その後、まさか京都への招待を頂けるとは夢にも思わず、本当に嬉しかったです。
羅生門ゆかりの地を巡る旅をしたあとの、対面での文学模擬裁判は、頭は冷静に冴え渡っていながらも、身体にはいつも以上に熱が入っているように感じました。対戦校と裁判官の圧を肌で感じながら、味方と相手の一言一句を聞き取り、瞬時に自分の出方を考える、そんな思考の極限状態が模擬裁判の怖くも面白いところです。また、文学模擬裁判ならではの面白いところは、題材の物語が、裁判を通して、その裁判ごとの雰囲気を帯びた物語へと変わっていくところだと思っています。その両方の面白さを感じながら京都での交流試合を全力で楽しみました。
先輩と先生と共に挑んだ京都での交流試合は、私の人生の中で指折りの良い思い出となりました。